算定式の取扱いについて 
   
  Q:  補正回転数の標準値の表の値が中間となる場合の比例補正値は計算方法(有効桁数など)によって流入流量の算出結果が若干異なることがありますが、どのように扱えば良いのでしょうか。
    A:  補正回転数の取り方によっては、流入流量に若干の誤差が生じますが、算出に必要な基礎数値を示して、その過程を明確にしていれば計算結果の多少の誤差は問題ない範囲と考えます。
 更に必要に応じて、そのグリ ース阻集器が実際に設置される状況を考慮して、より安全側にすべきかどうかを判断すれば良いと考えます。
   
    Q:   補正回転数の表において数値のある個所の他、両端側で「―」記載の個所がありますが、そこの補正回転数の求め方はどの様にすれば良いのでしょうか。
    A:  表の値の根拠とした実態調査において、その面積部分に調査建物が含まれている場合には数値を、含まれていない場合には「―」記載とされております。
 したがって、この補正回転数の算出のための回帰式(SHASE-S217-2016 P31 解説表-5)についても、厳密にはこの範囲において用いるものです。
 しかしながら、実用的には「―」記載個所においても規格の解説(SHASE-S217-2016 P30)の「補正回転数」を回帰式から求める算出例を基に、この例に沿って補正回転数を算出して用いておりま
す。
     
    Q:   油がギトギトのらーめん店ですが、油の少ないラーメン店と同じ算定式なのでしょうか。
    A:  算定式は(公社)空気調和・衛生工学会が幾つかの店舗で行ったフィールド調査を基に定めたものであることと、式中の安全倍率3.5は危険率を1%として統計的に算出した定数であるため、全ての店舗に完全に当て嵌るものではありません(SHASE-S217-2016 P28 4.工場製造阻集器の選定方法を参照)。
 この計算結果を基に設置した阻集器で油脂や残さの保持量が予定した清掃周期では多く溜まり過ぎる場合には排水に混入する油脂や残さを事前に取り除いて阻集器に流入する排水中から少なくすることや清掃周期を短くすることで対応してください。
  Q:  豚骨ラーメンの仕込み時の排水に油が多いように思っていますが、算定式には考慮されているのでしょうか。
    A:  油や残さの量の定数は「食器などへ付着した質量を基に」決めています(SHASE-S217-2016 P344.2.3.1及び4.3.3.1を参照)。仕込みの際に多量に油脂が排出される場合は排水へそのまま流さず、別途処理してください。
   
    Q:   店舗全面積の範囲について教えて下さい。
    A:  「店舗全面積」とは、食事を作る場所(厨房)と、その食事を飲食する場所(食堂)を合わせた、食事に関係するエリアの面積となります。すなわち、(厨房+食堂)の合計面積のことです。
     
    Q:   ビルテナント以外の戸建の場合の店舗全面積とは、建物の床面積となるのでしょうか。
    A: 「店舗全面積」とは、(厨房+食堂)の合計面積のことですので、建物の一部に トイ レや廊下、エントランス等があれば、それを除いて下さい。 
  Q:  ホテル等の飲食のできる宴会場は、 店舗全面積に含まれるのでしょうか。
    A:  飲食を伴う宴会場などは全て店舗全面積に含まれます。一方、飲食を伴わない事務室、通路、トイレなどは含みません。
 但し、ホテル等の宴会場の場合は食事の提供方法によっては食堂面積と利用人数が比例しない場合があり、阻集器の選定の際には面積からの算定と利用人数からの算定を行って、より安全な性能の阻集器を選定することをお勧めしております。
   
    Q:   旅館やホテルに設置するグリース阻集器の選定はどのようにするのですか。
    A:  厨房と食堂が一体となっている場合は面積による計算ができますが、客室での飲食が多いなどで一定の食堂が設定されていない場合は食数からの選定となります。
     
    Q:   スーパーマーケッ トなどで惣菜、精肉、鮮魚などのコーナーごとにグリ ース阻集器 を設置する場合について、対象面積の計算方法を教えて下さい。
    A:  SHASE-S217に則した選定を行うのであれば利用人数(食数)に基づいて、「利用人数に基づく選定方法」を用いて計算して下さい。
 但し、取扱う食材によって利用人数が推定し難い等、お困りの場合は各メーカーの営業担当窓口へご相談してください。
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